Interview

サーキュラーエコノミー(循環経済)のお悩みはここに!取組や連携を広げる窓口
~東京サーキュラーエコノミー推進センター~

多くの企業がプラスチック廃棄物や食品ロスなどの削減に取り組む一方で、どこから何を始めたらいいかわからないといった悩みの声も聞かれます。「東京サーキュラーエコノミー推進センター(以下、T-CEC)」では、企業や自治体、都民の皆さまに向けて、サーキュラーエコノミーに関する情報発信やアドバイス・支援を行っています。相談窓口担当として活躍するT-CECの若木さんに、日々どんなサポートをされているのか伺いました。


お話をしてくれた人
若木 広宣さん(東京サーキュラーエコノミー推進センター 普及推進チーム)


サーキュラーエコノミーに関するご相談を受け付けます!

―T-CECは、企業や自治体、都民の皆さまに対して、どのようなサポートを提供しているのでしょうか?

若木 広宣さん

T-CECは、東京都の施策のもとに運営されている組織です。2050年までにCO₂排出実質ゼロに貢献する「ゼロエミッション東京」の実現に向け、サーキュラーエコノミー(循環経済)※を推進しています。具体的には、TOKYOサーキュラーエコノミーアクションという特設サイトやSNSなどを通じてサーキュラーエコノミーに関する企業の皆さまの最新事例等を情報発信するほか、相談・マッチング事業各補助事業などに取り組んでいます。私が担当している「相談・マッチング事業」では、サーキュラーエコノミーに取り組もうとする都内の企業、自治体、都民の皆さま等を対象に様々なご相談を受けています。いわゆる「ワンストップ窓口」ですね。

※サーキュラーエコノミー(循環経済)とは、従来の3Rに加え、資源投入量や消費量を抑えつつ、ストックを有効活用しながらサービス化等を通じて、付加価値を生み出す経済活動であり、製品を生み出す段階から、製品の長寿命化やリサイクルしやすい素材の活用を考えて設計を行うこと、原材料の使用を最小限に抑えること、既にある製品等を最大限に活用し資源を無駄にしないことで廃棄ゼロを目指しています。

―どんな相談が寄せられていますか?

相談件数は年々増加しており、特に多いのは、プラスチックや食品ロスの削減、最近はさらにフラワーロスや衣料品回収など広がりがありますね。中小から大企業に至るまで様々な企業からのご相談が多く、相談内容も一般的な情報提供から協業先候補とのマッチング希望まで多岐にわたります。

―具体的にどのようなサポートをされているのでしょうか?

情報提供やアドバイスはもちろんのこと、T-CECで実施しているサーキュラーエコノミーの推進に関する様々な補助事業をご案内することも多いです。また、ご相談を受ける中で、この企業と協業すればうまく事業が進むのではいくのではないかという話があれば、候補企業をご紹介するようなマッチングも行っています。他にも、様々な企業の取組をT-CECのホームページやSNSで紹介しているので、それらが他の企業への刺激となり、サーキュラーエコノミーに向けた取組が社会に広がればいいなと思っています。

―マッチングの成功事例があれば教えてください。

例えば、ショッピングセンターなどの商業施設を運営する会社から、施設内での資源循環に取り組みたいというご相談があったため、国内外で資源循環サービスを展開する企業をご紹介しました。その2社がマッチングし、ショッピングセンター内に衣類・雑貨の不要品回収ボックスが設置されました。使わなくなったものを、リユースやリサイクルを通して次の使い手につなげる仕組みをショッピングセンターという生活の身近な場所に設けることで、お買い物だけではなく、顧客が資源循環へ参加するきっかけを創出しています。場所を提供できる企業と技術がある企業がつながり、サーキュラーエコノミーが実現した良い事例です。

多面的な支援で、取組や連携に広がり

サーキュラーエコノミーサロン

T-CECでは、相談・マッチングだけでなく、学び・交流の場である「サーキュラーエコノミーサロン」なども開催されていますね。

サーキュラーエコノミーサロン」は、サーキュラーエコノミーに関する新ビジネス創出のための学びやネットワーキングの場づくりのため、年5回開催しています。様々な企業等が登壇・交流する中で、参加者同士のご縁にもつながっています。サロンでヒントを得た参加企業から登壇者とのマッチング希望があり、ご紹介した例もあります。

―様々な事業を通じて、手応えはどう感じていますか?

企業同士がつながって、サーキュラーエコノミーに関する新しい動きが生まれている・広がっているという実感はあります。ご相談を受けた企業がメディアで取り上げられたり、街中で製品やサービスなどを実際に目にすることがあったりと、私自身もやりがいや手応えを感じています。

―若木さんにとって、サポートする立場としての醍醐味ですね。

そうですね。私たちがハブの役割を担って、相談者が新たな情報や機会、他社とつながって、前向きに進んでいく場に立ち会えるのは、醍醐味の一つです。私自身は、国内外の動きに日々アンテナを張りながら、相談者から学ばせていただくことも多く、知識や視野が広がることに面白さを感じています。まだ見たことのない「これから変わる未来」に関わっているワクワクがありますね。

「これから変わる未来」に向けて さらなる発信へ

サーキュラーパートナーシップEXPOでの登壇

―なるほど、若木さんが想う「これから変わる未来」につながっていきますね。今後は、さらにどんなことに力を入れていきますか?

企業の取組が広がっているとはいえ、サーキュラーエコノミーに関する認知は社会全体でまだまだ高めていく必要があります。T-CECでは、これまで様々な情報発信を行ってきました。特に学生など次世代に向けて、動画等のツールを作成し発信するなど、ターゲット層を絞った発信等も力を入れてきました。今後もXなどのSNSやシンポジウム、サロンなど様々な機会を通じて、より多くの方に届くよう発信を強化していきたいです。普及啓発なども更に進めていきたいと思います。

サーキュラーエコノミーを模索している方へ、メッセージを一言お願いします。

T-CECのホームページSNSでは、企業の取組事例や補助制度など様々な情報・コンテンツを発信していますので、ぜひチェックしてみてください。ご関心に合うことや相談したいことがあれば、ホームページの相談フォームからコンタクトしていただければ、何かお手伝いできることがあると思います!