東京都環境科学研究所

評価結果 H19-1-5

平成19年度第1回外部研究評価委員会 継続研究の中間評価結果

研究テーマ
VOC排出管理及び処理技術に関する研究
研究期間 18年度~19年度
研究目的  揮発性有機化合物VOCの発生源対策を効果的に進めるためには、VOC成分ごとの排出量推計と削減予測を精度よく行うことが重要であり、そのために必要な、排出されるVOCの成分情報を把握する。
研究内容  石油系混合溶剤等の成分組成が把握されていないものについて実測により詳細な成分組成を把握する。また、VOC排出実態が明らかでない給油所、ゴム関連工場及び燃焼系施設等の事業場における排出状況を実測により明らかにする。
中間評価 A2名、B3名
評価コメント及び対応 ・都市大気環境改善にむけて、発生源毎の状況把握を進めており、貴重なデータを積み上げている。塗料など業界でもVOC削減の努力が進められている中で、丁寧な監視の積み重ねにより取りこぼしのないVOC削減への貢献を期待する。一方、都市大気への影響面では相対的に自然起源(生物起源)のVOCの割合が増えてきていること、また大陸からの長距離輸送などの問題もあり、研究推進にあたっては所内外の関連課題とも連携を深めつつ、広い視野に立った研究方向性の確認を定期的にお願いしたい。
・注目されているVOC発生量に関する精度向上を目的とした研究であり、ニーズに対応した研究といえる。
・混合溶剤の成分組成を明らかにして、VOC対策に結びつけようとしており、行政にも直結した研究である。事業場からの排出の実態把握も手がけており、排出量推計におけるいくつかの疑問点を解消する成果が既に得られている。
・成果の公表が他の研究者や行政関係者にとって有益と思われるので、積極的な学会発表等が望まれる。
・現時点では研究が排出実態把握に重点を置いて進められており、テーマに掲げられた「排出管理」や「処理技術」がどのように具体的に成果となるのかが明確になっていない。今年度終了予定とのことであるので、早急に最終成果の具体像を描くことが望ましい。
⇒大陸からの長距離輸送や植物起源VOCについては、光化学オキシダントや大気中微小粒子の問題に関係するため、行政と連携して総合的な調査研究を進めていくようにしたいと考えています。
⇒本研究の成果をPRTRによる排出量管理の精度向上につなげていきたいと思います。また、ガソリンスタンドの貯蔵タンクからのベーパー回収装置の効果検証を行う予定です。