評価結果 H19-1-9
平成19年度第1回外部研究評価委員会 継続研究の中間評価結果
研究テーマ |
ヒートアイランド対策効果の把握に関する研究
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研究期間 | 17年度~19年度 |
研究目的 | ヒートアイランド現象は東京区部においても地域差があり、東京都は対策を重点的に実施する「ヒートアイランド対策推進エリア」を設定して集中的な対策を実施している。そこで、個別の対策技術による熱環境改善効果や、エリアにおける対策実施が周辺地域に及ぼす効果を明らかにする。 |
研究内容 | (1)エリアにおいて実施される保水性舗装によるクールスポット事業の効果を、顕熱量や赤外放射の低下量の観測により把握する。 (2)エリア内及びその周辺の気温分布を詳細に把握し、気温の低下効果の広がりを調べる。 (3)校庭芝生化のヒートアイランド緩和効果を熱環境的に把握する。 (4)気温分布と土地被覆や土地利用、緑比率等との関係を解析する。 |
中間評価 | A3名、B2名 |
評価コメント及び対応 | ・大都市部の熱環境問題に関する諸対策の効果を把握することを目的とした研究であり、実用的な意味が高い。近年は地方都市でもヒートアイランドの影響が問題となっているが、ヒートアイランドに対する実効的な対策の効果測定を行った例はほとんどなく、本研究の知見は広く利用される可能性が高い。評価できる。 ・研究目的であげた目標、実施予定を着実にこなしており、達成されていると考えられる。定量的な基礎データが多く得られており、すでに多くの知見が提供されている。 ・気象測定は非常に労力を要するが、測定時の天候などによってはよい結果が得られない場合もあり、長期的な取り組みが重要である。 ・緑地率と熱帯夜の関連など、都市環境をより良くしていく上で興味深い情報を取得している。終了研究の雨水管理などとも関連の深いものと思われ、都市の水管理と植生管理、生活環境改善の総合的かつ包括的視点にたった研究推進と成果発信を期待する。 ・研究目的に書かれている、対策を実施した時の周辺地域への影響が、まだ検討されていないように思われる。 ・ヒートアイランドに対する芝地の効果が認められたとした場合、それをどのように拡大していくのか、具体的な実施案を考える必要があろう。また、都内で芝地を拡大する余地があるのかどうか、仮に校庭を芝地化した場合、その効果がどれ程あるのか試算してみる必要があるのではないか。 ・対策コスト等の経済面も考慮した研究まで発展できると、なおよいと思われる。 ⇒気象測定については、今後のヒートアイランド対策の実施に合わせ、引き続き精度の高いモニタリングを行っていく予定です。 ⇒周辺地域への影響把握については、19年度にまとめる予定です。 ⇒ヒートアイランドに対する芝地の効果に関する具体的な実施案の検討は重要であり、校庭の芝生化は、期待される対策の一つです。17年度に測定した校庭芝生化による熱環境改善を示すデータを生かすとともに、効果の試算を検討したいと考えています。 |