評価結果 H19-2-2
平成19年度第2回外部研究評価委員会 事前評価結果
研究テーマ |
土壌等におけるダイオキシン類の発生源解析に関する研究
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研究期間 | 20年度~22年度 |
研究目的 | 都内に存在するダイオキシン類高濃度汚染事例の汚染機構を解明するとともに、ダイオキシン類の生成原因や生成機構を解明して、高濃度汚染土壌の適切な処理を推進する。 |
研究内容 |
(1) 高濃度汚染事例の汚染機構解明 ①高濃度汚染個所におけるダイオキシン類生成機構の検証 ②地歴や共存物質等を含めた包括的なデータによる原因の解明 ③適切な処理対策の提言に向けての情報収集 (2) 発生源解析に関する研究 ①各発生源から周辺環境へのPCB及びダイオキシン類挙動調査 ②正確な解明調査のための指標異性体の選定・絞り込み及びCMB法の改善 |
事前評価 | A4名、B1名 |
評価コメント及び対応 | ・ダイオキシン類の環境濃度が全般的に低下している中で、土壌や底質中における高濃度が報告される例が多く、重要な研究課題といえる。特に発生源が確定しにくい事例が多いことから、精度の高い測定データに基づいた発生源特定のための解析の重要性が高い。 ・近年新たに見つかった大きな負の遺産に対する取り組みで、大変だとは思うが意義も優先順位も高い研究と評価される。塩素漂白由来の特徴を明らかにする研究を、先導的に進めていただきたい。 ・社会的に問題となっている土壌汚染、特にリスクの高いダイオキシン類の発生源解明を目指した研究テーマであり、設定目標は適切である。 ・土壌中におけるダイオキシン類生成機構の解明は困難が予想されるが、これまでの研究成果を踏まえて、目的が達成されることを期待したい。 ・ダイオキシン類の生成機構や汚染機構の解明には多くの要因が関係するものと予想されることから、研究対象とする汚染地域の選定や対象資料の選定にあたっては、3年間にわたる研究計画を念頭に、十分に考慮する必要があろう。 ・成果の活用方向として、適切な処理対策のための提言が挙げられているが、処理対策の内容について研究計画の中では具体的な言及がない。どこまで踏み込めるのか、ある程度の目標が示されるとよいかと思われる。発生源特定については、できる限り多様な手法を組み合わせて、より精度の高い特定が行えるように努力されたい。 ⇒処理対策については、発生源解析による汚染原因の特定することによって、汚染の拡大防止及び有効な処理対策法等の提言を行う。また、発生源解析については低塩素化ダイオキシンや全PCBにとどまらず重金属や他の有機塩素など複合的な視点からの解析法の改善に努める。 ⇒現在問題となっている汚染地が、他の有機塩素化合物が多く夾雑していることから、ダイオキシン類以外の情報も多く、発生源解析には非常に適した地点と考えられる。しかし、今後新たな汚染地が発現することも考えられ、その時点で最も社会的需要の高い地域や資料において研究を取り組める体制を確保していきたい。 |