評価結果 H20-1-10
平成20年度第1回外部研究評価委員会 継続研究の中間評価結果
研究テーマ |
ヒートアイランドに関する研究
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研究期間 | 19年度~21年度 |
研究目的 | クールタウンモデル推進事業により実施される対策の実施効果、ならびに、街区周辺への波及効果、さらには、都区部全体(都市レベル)に対する効果を海風による効果も含めて明らかにし、東京都のヒートアイランド対策の推進に寄与する。 |
研究内容 |
(1)対策実施地区における効果の把握 推進エリア内の対策実施地区と未実施地区に温度ロガーを多数配置し、詳細な気温分布を調査 (2)対策実施にともなう区部全域及びその周辺地域への波及効果の把握 区内及びその周辺地域の約70地点と、東京湾内の海上数地点に温度ロガーを設置して、区部全域の気温及び水温分布を調査 (3)都市レベル(区部全域)での対策実施効果の予備的解析 対策の実施に先立ち(並行し)、シミュレーションにより、対策実施にともなう都市レベルでの広域的効果を解析 |
中間評価 | A2名、B1名、C2名 |
評価コメント及び対応 | ・大都市部における重要課題であるヒートアイランドの問題に対して、着実な取り組みが行われている。データは着実に蓄積されてきている。地公研が取り組むテーマとしてはかなり大きなテーマである点を考慮すると、高い評価がつくことは当然といえる。 ・温暖化対策の推進、省エネ・省資源を目指す大きな流れの中で、ヒートアイランド現象への取り組みも協調しながら推進を図ることが望まれる。 ・地球温暖化の時代を迎え、都市部におけるヒートアイランド対策は重要な課題であり、研究テーマの設定そのものは評価できる。実態把握を踏まえて、対策効果を評価し、施策に結びつく成果が上がることを期待したい。 ・測定は計画に従い進んでいる。海域での測定は、研究例が無く、新規性が高い。 ・発生メカニズムを仮定(明らかに)したうえで、対策を検討することが効率的と考える。対策による効果の把握の考え方(関連する他の対策による効果をどのように分離するのか)を整理することが必要と考える。 ・残り2年の計画の中で、対策効果をどこまで定量的に評価できるのか、目標を明らかにしていただけるとよいと思われる。シミュレーションの成否も鍵をにぎっていると思われるので、モデルの改良を含めて重点的に検討されたい。 ・研究の方向性が今ひとつしっくりこない印象を受ける。これまでの研究から、緑化や散水が持つ意義は示されてきたのではないかと思う。それを都市の構造、都市計画、或いは個々の住民のライフスタイルにどう反映させていくか、どのような措置をとれば推進が図れるか、対策実施にむけたより直接的なアプローチも考えてみていただきたい。 ・ヒートアイランド対策実施効果の評価手法をより明確にし、街区単位での効果が評価できるようにする必要があろう。また、街区周辺や区部全域への波及効果についても、その評価方法を明確にし、対策実施内容についての評価・提言ができるようにする必要があろう。 ・クールタウンモデル推進事業の評価は、区内100点の測定点では把握は難しい可能性がある。 ⇒対策による効果の把握の考え方の整理については、指摘を参考にしながら研究を推進していく。 ⇒指摘いただいた定量評価とモデルの評価を意識しながら研究を推進していく。 ⇒都市の構造、都市計画、住民のライフスタイルへの反映、措置等対策実施にむけたより直接的なアプローチについては、当研究所だけでの実施は困難と思われるので、他研究機関や大学等との共同研究を積極的に進めるとともに、行政機関との十分な協議のもとに、課題の解決に向けて努力していきたい。 ⇒指摘いただいた街区単位における対策効果の定量評価と周辺地域への波及効果評価を意識しながら研究を推進していく。 ⇒クールタウンモデル推進事業の評価は、区内100点の測定点では把握は難しい可能性があるとの指摘について、今後、専門の他研究機関や大学等等の共同研究を積極的に進め、ヒートアイランド現象の研究を進めてまいりたい。 |