評価結果 H20-1-2
平成20年度第1回外部研究評価委員会 終了研究の事後評価結果
研究テーマ |
有害化学物質の分析法・環境実態に関する研究
|
---|---|
研究期間 | 17年度~19年度 |
研究目的 | 化学物質による都民への有害影響を解明し、リスクの低減を進めるには、都民への健康影響が危惧される有害化学物質の実態把握が不可欠であることから、POPs、POPs候補物質の分析法確立と都内汚染の実態把握及び化学物質の汚染判明時の状況把握や原因・汚染源解明を行う。 |
研究内容 |
(1)エコ調査(全国調査の一環:都内の2地点) ・PRTR法対象物質、化審法対象物質、POPs等の環境残留状況調査(水質、底質、生物は東京湾調査、大気は都内と小笠原の調査) ・化学物質の動態調査(暴露量推計調査) (2)リスクの高い難分解性物質調査(PFOS、POPs等)の測定法の検討 ・実態の詳細把握、コアサンプルによる経年汚染推移の把握、排出源の検索 (3)精度管理(統一精度管理調査、クロスチェック・技術支援) |
事後評価 | A4名、B1名 |
評価コメント及び対応 | ・有用な成果が得られていると考える。 ・環境省受託事業として、確実に遂行されたことがよくわかる。注目されているPFOS、PFOAのデータを多く得た点の貢献が大きい。都内と小笠原の対比が大変興味深い。 ・特に国際条約(ストックホルム条約)の推進に対応して残留性有機汚染物質(POPs)並びにその追加候補物質に焦点を当てながら、発生源の特定に至った点は評価される。 ・有害化学物質としての有機フッ素系化合物について、分析法の確立、環境水中の汚染の実態、排出源の特定と、計画的に研究を進め、一定の成果を得たことは評価できる。これらの物質について、国内規制が予定されていることから、研究成果に基づいた削減対策が提言されることを期待したい。 ・目標とした項目は、ほぼすべて達成されている。多数の調査分析から興味深い結果が得られている。 ・研究期間全体で得られた成果を系統的に記述することが望ましいと思う。 ・東京都独自の観点がより明確に出るとなおよかったと思われる。評価はBとしたが、限りなくAに近いBとご理解いただきたい。 ・化審法、PRTR法などの改定が今後進められ、また欧州のREACHなどの影響で化学物質管理に関わる国内体制も今後変化が見込まれる。こうした国内外の動きに対応しつつ、今回のPFOS発生源探索のように対策につながる前倒しの研究推進を今後もお願いしたい。 ⇒有機フッ素系化合物について、国内での規制が本格化した後も、代替物質への移行状況等について調査を行いたい。 ⇒今後、研究期間を通じた結果を総合的にまとめ、系統的な記述をするよう努めたい。 ⇒今回の調査は、過去にはあまり例のないものなので、その部分について、よりアピールするよう心がける。 ⇒今後も規制される見込みのある化学物質に対しては、それに先立ち発生源の追跡調査を行っていきたい。 |