評価結果 H20-1-7
平成20年度第1回外部研究評価委員会 継続研究の中間評価結果
研究テーマ |
自動車排出ガス低減対策の総合評価に関する研究
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研究期間 | 18年度~20年度 |
研究目的 | 大気汚染の早期改善に向けて、自動車排出ガス規制のあり方等について国に働きかけ、メーカー等に新技術の開発普及を促し、また都独自の施策を推進していく上で必要な ①自動車排出ガス規制の効果検証、②ポスト新長期規制に向けた最新排出ガス低減技術の事前検証 及び③低公害車等普及に向けた排出ガス実態の把握 を行う。 |
研究内容 |
(1)自動車排出ガス規制等の効果検証(排気管排出レベル) 使用過程車を用いた、法定試験や東京都実走行パターン等の各種モードによる排出ガス測定・分析及び従前規制適合車との比較・検討 (2)自動車排出ガス規制等の効果検証(環境レベル) 道路沿道等における大気試料の採取・分析(粒子状物質、NOx、VOC等)及び交通量等の計測を行い、自動車排出ガスの大気環境への影響を調査 (3)最新排出ガス低減技術等の事前検証 最新の排出ガス低減技術等を備えた車両についた、排出ガス低減効果、未規制物質、アンモニアスリップ等の検証 (4)公害車等の排出ガス実態調査 |
中間評価 | A4名、B1名 |
評価コメント及び対応 | ・目的は明確に定められており、成果も着実に出ていると判断する。 ・自動車由来の大気汚染に対して発生源対策の観点から取り組もうとする研究であり、社会的ニーズが高い。調査対象車両の台数が増え、より信頼性が高まったといえる。バイオ燃料を対象とした調査も着実に進行している。 ・新型車に適応されている新長期規制において、NOxの排出量が大幅に減少している実態が把握できたことは評価できる。今後、都が導入を考えているPM2.5の規制に向けて、微小粒子の排出実態が把握できるよう期待したい。 ・自動車排出ガス低減への規制などの効果が明らかになった点が評価できる。 ・バイオディーゼルの排ガスが通常のディーゼル燃料の場合とあまり変わらないという結果が出ているが、微量物質に差がないか、化学反応性に差がないかをきちんと評価する必要がある。 ・実測データから効率的低減方策立案へ至るためには定量的モデルの作成が欠かせず、一方、物流や経済、家庭生活への影響、温暖化対策との関連など、自動車規制は極めて幅広い視野にたった総合的取り組みが必要とされる。関係する他の研究機関などとも連携、交流を保ちつつ、効果的取り組み推進を図っていただきたい。 ⇒バイオディーゼルの排ガスと通常のディーゼル燃料の排ガスが差が出ていないのは、既調査は、バイオディーゼルが5%と低濃度で、調査車両も酸化触媒装着車であるため、差が確認されていない。今後、長期使用による触媒劣化等を考慮し、評価を継続する。 ⇒関係する他の研究機関との連携、交流にも心掛け、都における施策立案等に必要な科学的根拠を提供していく役割を果たしていく。 ⇒自動車排出の微小粒子については、ナノ粒子や二次生成の原因物質となるVOCsを含め、ガソリン車についても調査を行っており、今後も調査を継続して実態把握に努めていく。 ⇒自動車メーカーの製造するエンジン型式数は近年大幅に減っている。調査サンプルとして、エンジン型式数からは概ねカーバーできるが、更に、自動車の用途違いによる、排出ガス特性についても注視していく |