評価結果 H20-2-9
平成20年度第2回外部研究評価委員会 事前評価結果
研究テーマ |
土壌等におけるダイオキシン類の発生源解析に関する研究
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研究期間 | 20年度~22年度 |
研究目的 | 都内に存在するダイオキシン類高濃度汚染事例の汚染機構を解明するとともに、ダイオキシン類の生成原因や生成機構を解明して、高濃度汚染土壌の適切な処理を推進する。 |
研究内容 |
(1) 高濃度汚染事例の汚染機構解明 ①地歴や共存物質等を含めた包括的なデータによる原因の解明 (2) 発生源解析に関する研究 ①電解等生成実験等におけるダイオキシン生成機構の解析 ②PCB製品の大気環境への拡散実験 ③ローボリウムエアーサンプラを用いた一般大気環境におけるダイオキシン類の測定 ④正確な解明調査のための検証方法の検討 |
事前評価 | A3名、B2名 |
評価コメント及び対応 | ・成果を学会等で積極的に発表して、成果の信頼性を高める努力をしてはと思う。 ・東京都における高い分析能力が十分に活かされていると評価できる反面、得られたデータからどういう解析を行ってどういう結論が得られるのかが、現時点ではあまり明確になっていないように思われる。当初よりその部分は2年目が中心であったので、次年度への期待を込めてA評価とした。ただし汚染機構解明や発生源解析には、既往研究例も少なくないことから、十分な既往研究調査を行った上で独自性を高めるような配慮が必要といえる。 ・過去の遺産ばかりでなく、現在でもPCB汚染等が思わぬ所で生じている。新たな規制対象物質の増加にも適切に対応しつつ、定常的な監視の目をゆるめずに適正な化学物質利用と安全、安心の社会構築・維持に継続して貢献してほしい。 ・3年間の継続研究計画の中で、当該年度の位置付けを明確にされたい。当該年度の研究内容は、土壌汚染の新たな発生源解明に向けた重要なものと考えられるが、実施項目が多岐にわたっており、担当者数を考えると研究対象項目を絞る必要があるように思える。 ・発生源についての知見が得られたとき、処理についても研究を行うことが必要ではないか。 ⇒6月に行われる環境化学討論会だけでなく、ChemosphereやORGANOHALOGEN COMPOUNDS等国際学会誌への投稿によって国内外で発表することで、研究成果への信頼性を高めていきたいと考えている。 ⇒ご指摘頂いたように、既往研究については十分な調査を実施する。また、本研究の食塩電解におけるダイオキシン類の生成は、国内での報告事例がほとんどないことから、独自性の強い研究となっている。一方で、解析方法が不十分な点もあり、来年度以降、指標異性体の選定や共存物質の種類・組成を使った包括的な解析手法の確立を進めていきたい。 ⇒ご指摘頂いたように、過去の遺産に限ることなく、環境負荷が懸念されるようなPCB含有物等については、研究対象に組み入れていきたい。 ⇒本年度は、汚染土壌等における発生源解析のための実態調査や食塩電解中の共存物質に関する基礎調査の年と考えている。また、実施項目については、行政からの要望に応じて、優先する対象項目を選定していきたい。 ⇒処理に関する研究については、行政からの要望もあり、重要な課題と考えている。継続的に文献調査等の情報収集は実施しているので、今後行政と相談の上で優先順位を決めて決定していく。 |