評価結果 H21-1-6
平成21年度第1回外部研究評価委員会 継続研究の中間評価結果
研究テーマ |
光化学オキシダント対策の効率的な推進に関する研究
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研究期間 | 19年度 ~21年度 |
研究目的 | Ox生成に対するNOxやVOC等の影響を総合的に検討することにより、寄与の大きいVOC成分を特定し、排出抑制した場合の効果を予測することによって、光化学スモッグ対策の効率的な推進に資する。 |
研究内容 |
(1)VOCと高濃度Ox出現との関係解析 ・Ox、NOx、非メタン炭化水素(NMHC)濃度、気象条件などについて、常時監視データ等により、高濃度Ox出現状況とNMHC濃度との関係を統計的に解析 (2)光化学Ox対策研究 ・オゾン生成ポテンシャルによるVOC成分毎の寄与の評価 ・首都大学東京との共同観測、オゾン生成ポテンシャルの比較、VOC環境調査 ・高濃度Ox発生時におけるVOCの時間変化の実測、移流の影響及び植物起源VOCの影響についての検討 (3)モデルシミュレーション ・モデルシミュレーションによるNOx・VOC対策効果の推定 |
中間評価 | A1名、B4名 |
評価コメント及び対応 | ・VOCの種類は多種多様であるので、対策を想定した取り組みが必要ではないかと考える。 ・この研究で想定する大気中での反応モデルを明確にすることも必要と考える。 ・東京都は光化学オキシダントの前駆物質の大量発生源であり、今年度も関東周辺で既に複数回の注意報発令があったことから、特に重要な研究課題といえる。 ・既に多くのデータが得られており、有益な知見が提供されることが期待される。特に大都市圏における植物起源VOCの影響の評価は、過去の知見があまりないため、特に期待度の高い研究といえる。 ・丁寧な観測研究により、光化学オキシダント発生のメカニズムの解明のための基礎データが蓄積されていると評価できる。 ・光化学オキシダント対策に向けて、その改善効果を明らかにしようとする研究姿勢は評価できる。 ・VOCの測定については順調に行われているが、有効な削減対策の策定が今後の課題である。 ・光化学オキシダントは広域的現象であることから、周辺各県のデータも用いた解析の重要性が高い。既に取り組まれていると思われるが、今後さらに拡大して詳細に検討されることが望まれる。 ・各県でも同様な目的の研究が行われているという情報もあることから、的確な情報交換を行うことでより有益な研究成果が得られる可能性があると思われる。 ・どのように効率的に光化学オキシダント発生を抑制できるか、なかなか難しい課題であるがうまく成果に結びつくことを期待する。 ・植物起源のVOCに着目し、地域によっては無視できないとの予備結果を得ているが、これが事実であった場合の対応はどうするのか、大変興味深い。 ・本年度が最終年であることから、まとまった結論が出るよう、研究内容等を工夫されたい。 ⇒データ解析については近県のデータも合わせて行うとともに、実測については可能であれば埼玉県等と連携していきたいと考えています。 ⇒植物起源VOCについては、その影響の程度を把握することで、人為的VOCの必要削減量を検討する材料にできればと考えています。 |