評価結果 H21-2-4
平成21年度第2回外部研究評価委員会 継続研究の事前評価結果
研究テーマ |
大気中微小粒子に関する総合的研究
|
---|---|
研究期間 | 20年度 ~22年度 |
研究目的 | PM2.5の状況を把握し、削減対策として優先的に取り組むべき物質や分野を明らかにする。 |
研究内容 |
(1)研究調整・総合的解析 ・本研究を含む事業全体について、調査等に係る技術支援、調査・研究の企画、報告書等の案の作成を行う。 ・環境局に設置されている学識経験者による検討会への出席、資料作成などを行う。 ・各種調査結果から発生源寄与、対策による環境改善効果等の総合的解析を行う。 (2)シミュレーションモデルの構築 ・原因物質の排出量からPM2.5及び光化学オキシダント濃度を計算するシミュレーションモデルにより、対策効果の予測を行う。 (3)レセプターモデルによる発生源寄与の推定 ・発生源プロファイルの整備及びCMB法、PMF法によりPM2.5発生源寄与の推定を行う。 ・PM2.5中の有機粒子について、成分分析法の検討及びフィールド調査を行う。 (4)関東地方SPM合同調査 ・PM2.5中の主要成分(元素状炭素、有機炭素、水溶性成分)の濃度の広域的把握を行う。 |
事前評価 | A3名、B2名 |
評価コメント及び対応 | ・研究テーマの社会的必要性は高いと考えるが、都が国と独立して行なう意味を明確にすることが望ましい。 ・既存研究の成果の収集整理は、研究事項の1つに入れてよいほど、この分野では重要な事だと考える。 ・他の研究機関との違いを明確にすることで、研究内容がより有効なものになる。 ・SPM汚染やPM2.5の問題は、近年の大気汚染の中で常に上位を占める優先順位の高い課題であり、特にPM2.5は注目度が高いことから、本研究の役割は非常に大きいものと評価される。 ・既に過去2年でかなりの成果が上がってきているが、22年度にはモデル計算を含め、さらに内容の充実を図ることが期待される。 ・環境基準設定が契機となって、非常に多くの機関が調査研究に取り組んでいるテーマであるため、常に他機関の研究動向に目を配り、既存の知見を十分に活用した上で研究を進める必要があると考えられる。 ・シミュレーションモデルについては、二次粒子生成に対する気象条件の影響をどれだけ細かく入れられるかが問題になると思われる。そのため既存の酸性雨研究等の知見を十分に活用して、計算条件を設定する必要があると考えられる。 ・長い調査の歴史の上に他機関との協力体制に基づく共同観測なども実施し、着実なデータの積み重ねを行ってきている。その上にたって、さらに残された問題点を詰める作業が進められている。 ・使える指標をうまく組み合わせながら、さらに誤差、曖昧さをへらして信頼できる予測の作成ならびに削減への方策提言を期待する。 ・PM2.5に関して「大気環境基準」が昨年告示された状況において,先進的な研究として評価することができる。 ・シミュレーションモデルにおいて、これまでの現地観測データがどのように生かされるのかを明確にする必要がある。 ・他県を含めた合同調査結果を有効利用するとともに、予測モデルの規格化等についても検討する必要がある。 ⇒既存の研究を整理し、本調査の独自性を明確にしていきたいと考えます。行政側も環境省と情報の共有化を進め、それぞれの役割については相談しています。 ⇒他の機関との情報交換を密にしていきたいと考えます。 ⇒シミュレーションの二次生成についてはかなり困難が予想されますが、できるかぎり過去の知見を生かして進めていきたいと考えます。 ⇒各調査の結果を総合的に解析し、確実性のある知見を集積して、対策の検討につなげたいと考えています。 ⇒観測データはシミュレーションにおいて、計算日の選定や再現性の確認に使用する予定です。 ⇒平成20年度合同調査の結果が21年度中に公表されますので、有効に活用したいと考えています。 |