評価結果 H22-1-9
平成22年度第1回外部研究評価委員会 継続研究の中間評価結果
研究テーマ |
土壌等におけるダイオキシン類の発生源解析に関する研究
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研究期間 | 20年度~22年度 |
研究目的 | ダイオキシン類の生成原因や生成機構を解明することにより、都内に存在する高濃度汚染土壌(負の遺産)の適切な処理を推進する。 |
研究内容 |
(1)高濃度汚染事例の汚染機構解明 ①地歴や共存物質等を含めた包括的なデータによる原因の解明 (2)発生源解析に関する研究 ①電解等生成実験等におけるダイオキシン生成機構の解析 ②PCB製品の大気環境への拡散実験 ③ローボリウムエアーサンプラを用いた一般大気環境におけるダイオキシン類の測定 ④正確な解明調査のための検証方法の検討 (3)分析法の検討及び情報とりまとめ、内部精度管理 |
中間評価 | A2名、B3名 |
評価コメント及び対応 | ・一定の成果が得られたものと考える。 ・処理技術として、どの様なものを想定しているのかが不明瞭ではないか。 ⇒本研究は、土壌等でダイオキシン類汚染が発覚した際に用いることのできる発生原因解明手法を確立することを主な目的としています。なお、処理技術については、学会等で得られた情報を幅広く収集、整理し、行政に提供することとしています。 ・ダイオキシン類は、一時期のような国民的な関心の対象ではなくなってきているが、土壌や生物に残留したダイオキシン類による汚染は、現在も重要な問題である。本テーマはその実態データから発生源を明らかにすることを主たる目的としており、重要なテーマといえる。 ・発生源解析に必要な基礎データが多く得られてきており、今後の発生源解析の精度向上に貢献するものと期待される。 ・ダイオキシン類の発生源解析には多くの情報が必要であるが、本研究のみでそれを充足することは当然ながら困難である。他機関における最新の研究成果を常に収集し、よりレベルの高い成果を目指してほしい。 ⇒発生源については、他の研究機関との連携・交流、学会参加や文献調査等を通して、最新情報の収集に努めています。食塩電解実験等で得られた成果は、他機関における最新情報と共に、従来の発生源データに追加し、発生源解析法の改善に努めていきます。 ・長期にわたって担当した研究者が研究終了を待たずに転出されたのは残念だが、これまでの成果の蓄積は立派なものがあり、これらを引き継いで今後の発展をぜひお願いしたい。 ・東京湾表層汚泥中のダイオキシン分布が報告されており、これらのデータも踏まえて今回のコア試料分析結果を解析してほしい。また、塩素漂白由来のダイオキシン生成についても、他の事例がないかも含めてしっかりしたまとめを期待する。 ⇒過去の研究報告及び最新情報の収集、整理をともに十分に行い、食塩電解実験、東京湾底質調査等における結果の解析、取りまとめを進めていきます。 ・土壌中におけるダイオキシン類の発生源に関する基礎的データの蓄積のみならず、東京湾の底質および生物中のダイオキシン類濃度を明らかにしていることは評価することができる。 ・東京湾の底質については、深度60cmを境にダイオキシン類の濃度に差異が見られるが、この原因について、より正確な底質の堆積速度等に基づいて考察を進める必要があろう。 ・最終年度にあたることから、これまでの基礎的データをとりまとめるとともに、その成果の意義について言及されたい。 ⇒電解実験等で得られた発生源に関する新たなデータを、従来の発生源データに加え、整理、解析していきます。これらのデータをもとに、土壌汚染等発覚時に汚染原因の推定に用いることのできる、より精度の高い発生源解析手法を確立し、行政に提供します。この手法は、適正、迅速な行政対応に役立つものと考えています。東京湾底質については、今後、鉛210等による年代測定を実施することを予定しています。 |