東京都環境科学研究所

評価結果 H25-1-4

平成25年度第1回外部研究評価委員会 継続研究の中間評価結果

研究テーマ
自動車の環境対策の評価に関する研究
研究期間 24年度~26年度
研究目的  自動車排出ガス規制の効果を検証するとともに、次世代自動車等低公害車の排出ガス等の実態を把握する。
研究内容
  • (1)自動車排出ガス規制等の効果検証
    ポスト新長期規制適合車等の最新規制適合車を用いて、法定試験や東京都実走行パターン等の各種モード(オフサイクル、エコドライブ等を含む。)による排出ガス(N2O(亜酸化窒素)等の未規制物質を含む)の測定・分析を行い、排出実態の把握と共に排出係数作成の資料を得る。また、従前規制適合車との比較等を行うとともに、これらの車両の排出ガス低減技術等についての評価を行う。
  • (2)次世代自動車等低公害車の排出ガス等の実態把握
    最新型のハイブリッド車等について、燃費特性等を把握し、環境改善や温暖化対策に向けた効果等について検討する。
中間評価 A3名、B2名
評価コメント及び対応
(同様の評価及び対応は、まとめて記載)
  • シャシダイナモ上の測定と実走行時の排出ガスの相関を確認し、リアルワールドの実態把握に努められたい。それが都民の健康を守る、あるいは光化学オキシダント等に対する寄与度を調べていく上で重要である。
  • 従来までのシャシダイナモメータによる調査に加えて、車載型のNOx計等を活用した実路調査を実施し、リアルワールドでの排出ガス実態の把握に努めていきます。
  • 自動車由来の大気環境研究は、従来から研究所の中核的な分野であり、本課題もその一環として位置付けられるものと理解できる。
  • 24年度の成果としては、使用中の自動車の排ガス特性を明らかにしたことが中心であり、この種のデータが積み上げられることは、自動車公害対策に大きく寄与するものといえる。
  • 以前にも指摘したことがあったと記憶しているが、試験車両の走行履歴の結果への影響について、可能であれば今後検討されたい。同一車種で走行履歴が異なる試験車両の比較ができれば、最も有効と考えられる。
  • 平成25年度調査では、同じ型式の車両で、走行距離が長い車両の再調査を予定しています。大型ディーゼル車のNOx除去触媒等の劣化の有無や程度等を把握していきます。
  • 精力的な調査による収集、蓄積を継続しており、首都における環境改善のみならず日本全体の環境改善につながる重要な研究だと思う。
  • 得られたデータについて、随時丁寧かつ多角的に解析を進めて、成果の発信、施策への反映並びに研究そのものをよりよい方向に導く努力をお願いする。
  • 今後も得られた排出ガスデータを多角的に解析し、行政施策等に反映させるとともに成果を発信していきます。
  • 排気ガスについては、継続的な測定が重要であり、過去からの蓄積に加えて、毎回地味ではあるが興味深い結果が得られている。
  • 多角的に詳細な評価がなされており、データベース蓄積の意味でも重要な研究である。
  • ディーゼル車はNOx排出量が多いが、燃費は良いというのが通念と思うが、今回の結果からはそのようなデータが読み取れない。ディーゼル車のn数を増やすことなどにより、ガソリン車(ガソリン駆動のみとハイブリッド)とディーゼル車の違いが明確にでるような、データ蓄積が必要と思う。
  • 小型ディーゼル車の普及の動向を見つつ、調査数を増やしデータ蓄積に努めていきます。