東京都環境科学研究所

評価結果 H27-2-8

平成27年度第2回外部研究評価委員会 継続研究の事前評価結果

研究テーマ
自動車環境対策の総合的な取組に関する研究
研究期間 2015(平成27)年度~2017(平成29)年度
研究目的
  • (1) 自動車排出ガス規制強化の実効性評価等
  • (2) 次世代自動車等の排出ガス等の実態把握
研究内容
  • (1)自動車排出ガス規制強化の実効性評価等
    ポスト新長期規制適合車等の最新規制適合車を用いて、法定試験や東京都実走行パターン等の各種モード(オフサイクル等を含む。)による排出ガス(VOC、N2O等の未規制物質を含む)の測定・分析を行い、排出実態の把握と共に排出係数作成の資料を得る。また、排出ガス計測は、次期排出ガス規制で採用される試験モード及び採用している排出ガス低減技術を踏まえ、現行の排出ガス規制から次期排出ガス規制への規制の継続性と実効性についての評価を行う。
  • (2)次世代自動車等の排出ガス等の実態把握
    ハイブリッド車等、最新技術を用いた次世代自動車等の特性について、燃費特性等を把握し、環境改善や温暖化対策に向けた効果等について検討する。
事前評価 A4名、B1名
評価コメント及び対応
(同様の評価及び対応は、まとめて記載)
  • シャシダイナモメータを用いて、最新の排出ガス規制等に適合した自動車の排出ガス調査を実施するものである。継続的な取組であり、国の認証を受けた車両であっても使用過程にて悪化するもの、不正ソフトを搭載しているものを、発見すること、監視することの役割を担っている。
  • これからは、実際に走行している状況での排ガス計測が必要となるので、シャシダイナモメータの設備投資に加えて、車載型の排出ガス測定装置の導入とRDEの評価体制を構築されたい。
  • 今後、路上走行における排出ガス検査が導入されることを見込み、装置の導入等東京都と相談していきたいと思います。
  • これまでも十分に有用なデータが得られている。
  • 継続して測定することに意味がある。新たな知見を期待している。
  • 大型ディーゼル車のNOx排出規制が0.70 g/kwhから0.40 g/kwhへ強化されるのに伴い,今後ディーゼル車が増加しても都内の大気環境が維持されるべく,これまでメーカー等に提言されてきたように,今後もますます研究面から大気環境の維持に寄与していっていただきたい。
  • 可能であればディーゼル車の急発進時や登り坂でのNOx量を極力低減できる方策を研究の中に盛り込んでいただきたい。(一市民としての意見だが、大型ディーゼル車が急発進したり坂道を上ったりするとNOxの悪臭がひどく、自覚症状として気管支などのどにも悪影響を及ぼす。上り坂などでの一時的NOx排出増大が解決できないかぎり、例え燃費が良くてかつ煤煙が低減されもディーゼル車の増加は賛成できない。)
  • 様々な走行状況での排出ガス実態について調査を行い、更なる排出ガス低減に向けて報告出来るよう、努めていきたいと思います。
  • 本研究の目的は、自動車排出ガス規制強化の実効性評価と次世代自動車等の排出ガスの実態把握で、ともに東京都の自動車環境対策にとって重要であり、研究の意義が十分認められる。
  • 研究予算との関係でやむを得ない点もあるが、調査に用いる自動車台数が統計的に有意であるか否かに関する議論や事前評価も必要と思われる。
  • 1年で測定できる自動車台数には限りがありますが、調査結果を積み重ねることにより信頼性を高めていきたいと思います。
  • 研究計画書の「研究の背景」の項に書かれている内容は全くその通りであり、この研究の必要性として、疑問をはさむ余地がない。新たな発明・開発等に関わる研究と比べると非常に地味に見えると思われるが、その時どきの新たな状況に注目した研究の継続に敬意を表したい。