東京都環境科学研究所

自動車環境対策の総合的な取組に関する研究（2021-2023年度）

令和6年度外部研究評価委員会　終了研究の事後評価

研究テーマ
自動車環境対策の総合的な取組に関する研究　【終了】
研究期間 令和3～5年度
研究目的 新型自動車（次世代自動車等を含む。）の排出ガス実態を把握するとともに、自動車排出ガス規制強化の実効性の評価を行う。
・規制物質の排出低減効果の検証、排出係数算定の基礎データの収集
・VOC、N2O等の未規制物質の排出実態の把握
・排出ガス低減技術の評価
・過去の排出ガス規制から現行の排出ガス規制への規制の継続性と実効性の評価（大型車）
・次世代自動車等の低排出ガス、燃費（電費）性能等の評価（小型車）
研究内容
  • 使用過程車（最新排出ガス規制適合車・次世代自動車等）を調査対象車両とし、自動車排出ガス計測施設を用いて法定モード、東京都実走行モード等の各種モード（オフサイクル等を含む。）による排出ガス（VOC、N2O等を未規制成分も含む。）の測定・分析を行い、排出ガス実態を把握する。
  • ・大型車は、新たな排出ガス規制で採用された試験モードや採用している排出ガス低減技術を踏まえ、過去の排出ガス規制から現行の排出ガス規制への規制の継続性と実効性についての評価を行う。
  • ・次世代自動車等においては、通常のシャシダイナモメータ試験では使用しない車室内エアコン、ヒーターの使用やヘッドライトを点灯するなどして、通常の自動車使用時により近い状態での排出ガス、燃費、電費の実態把握も合わせて行う。
事後評価 Ａ：優れている　　　　　　4
Ｂ：普通　　　　　　　　　1
Ｃ：やや劣っている
Ｄ：劣っている
評価コメント及び対応
  • 使用過程車の調査は貴重な結果が得られたと思います。
  • 調査結果の代表性を検討し、調査結果をどのように排出インベントリに反映するかも検討が望まれます（次期でも良いと思います）。
  • 系統的な研究計画が立案され、着実に成果が得られているものと評価される。
  • PEMSによる路上走行試験では使用過程車が新車だった際のデータと比較てきると良いと思います。その意味でも現段階での新車のデータを取得することは意味があるのではないでしょうか。
  • 大気環境の改善や脱炭素政策に資する詳細なデータ収集が行われており、環境政策における基礎情報としての活用が期待されます。
  • 今回の研究で得られた情報は、行政や自動車メーカー、さらには東京都民に対してどのように共有されるのでしょうか？特にEVの充電時のロスについて異なる車種について評価されていますが、経年的に劣化がどのように進むのか、さらには放電時のロスも同等と考えていいのか、明らかにできるとEVに対する信頼性も増すと思います。
  • 充実したデータが収集できていると思います。
  • 遺伝的アルゴニズムにかける自由度の制限の程度をどのように決めるかが気になりました。
  • 基礎的なデータの継続的収集・蓄積は高く評価される。PEMSを用いた大型使用過程車の路上走行試験においては、平均速度が遅い細街路走行時の排出量が臨海部走行時よりも約10～30%多いという結果は興味深い。
  • EVは低速域のCO2排出（電費からの換算値）割合については、いろいろな条件下で継続して確認していく必要があると思います。