東京都環境科学研究所

都内河川における衛生指標細菌の発生源の推定に関する研究(2024-2026年度)

令和6年度外部研究評価委員会 新規研究の事前評価

研究テーマ
都内河川における衛生指標細菌の発生源の推定に関する研究 【新規】
研究期間 令和6~8年度
研究目的 都内の河川では下水道の普及等により水質が改善してきているが、衛生指標(大腸菌群数)は有機汚濁指標(BOD)ほど改善されていない。特に高い類型の河川を持つ区市の関心は高く、大腸菌が増大する要因を推定するための調査研究が必要となっている。研究の背景を踏まえ、次の2点を目的とした研究を実施する。
(1)河川の縦断調査により、大腸菌数が増大する地点を特定し、発生源を推定する。
(2)大腸菌の遺伝子や土地利用状況等を解析し、増大要因を推定する。
研究内容
  • 環境基準類型が高い河川(環境基準B類型以上(例)秋川、北秋川等)のうち、大腸菌群数及び大腸菌数が高い河川において次の調査研究を行う。
  • (1)発生源の推定に関する調査
  • (2)増大要因の推定に関する研究
事前評価 A:優れている      2
B:普通         1
C:やや劣っている    1
D:劣っている
評価コメント及び対応
  • 「遺伝子解析による起源推定から、効果的な水質改善策を提示」をぜひ行ってください。
  • 対象河川を拡げた上で従来からの手法を用いた継続的な研究計画であると思われます。
  • 調査の対象となる河川の選定について、代表的な河川であること、大腸菌数が多いことを考慮されているとのことですが、これまでの研究で得られた知見を補強する、あるいは検証する観点から対象河川を選定するように検討してはいかがかと思われます。
  • 対象河川が前年度までとは異なっていますが、対象河川を広げることに優先順位があるのでしょうか?2023年度の調査では特定できなかった発生源についてより深い研究が必要になると思います。
  • 【問】秋川が対象河川として選定された理由は何でしょうか?これまでの研究でこの河川を調査することの重要性が示されているのであれば、そうした説明を加えて下さい。
  • 【答え】3ヵ年の事業の区切りで対象河川を変更しています。調査対象河川は「BODが低く、環境基準B類型以上の比較的水質が良好」かつ「大腸菌群数が多く、大腸菌数の基準値超過が懸念」される河川としております。調査対象河川については、環境局と協議をし、過年度の対象河川の再調査なども検討していきます。
  • 2024年度から新たな研究計画が始まると解釈しましたが、前年度までの成果をどのように活かすのか説明があった方が継続される研究の意義が増すと思います。発生源の特定と対策の検討、実施に向けて重要な段階に来ていると思います。
  • 要因分析の結果から対策につながることを期待します。推定結果の検証も進めてほしいと思います。
  • 広域への展開に進められると効果的だと感じました。
  • 大腸菌数の広域調査の継続はデータ蓄積として意義がある。発生源の特定は対策につながるものと期待される。