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研究所における信頼性確保システム(GLP)の取組方針
は じ め に
東京都環境科学研究所(以下「研究所」という。)は、環境行政施策の執行に必要な科学的知見を得るための調査研究を行っている。調査研究はその過程で測定分析を行うこと
が多い。
近年は、ダイオキシン類や内分泌かく乱化学物質のように微量で多種多様な媒体に係る調査研究が増えているが、その際、これまで以上に精密な測定分析が求められている。
平成10年度にはダイオキシン分析室を整備し、これを契機に行政検体に係るダイオキシン類の分析やクロスチェック業務を開始した。また、平成11年度以降、民間等から依頼を受け、「自動車排出ガス低減装置等の性能試験」及び「自動車NOx法に基づく排出ガス試験」を実施し、試験結果通知書を交付している。これらの業務を実施する部門をはじめとして、測定分析を実施する部門においては、当然のことながら、試験検査結果等の信頼性が求められるし、精度管理にも細心の注意を払う必要がある。
そこで、データの信頼性の確保を図り、研究所の試験検査等の業務を内部的に適切に管理する「信頼性確保システム(GLP:
Good Laboratory Practice,以下「GLP」という。)」を導入して、調査研究に係るデータ、行政検体の受託分析結果、自動車性能試験結果等への信頼性の向上に努めることとする。
研究所へ導入するGLPの概要等を以下に示す。
1 研究所に導入するGLPの概要
試験検査等に係る信頼怯を高めるために導入する研究所のGLPにおいては、試験検 査等が恒常的に適正に実施されるように試料の採取、試験検査等の実施、実施結果の整理、試料の廃棄等の各工程に係る「ハード、ソフトの両面にわたる実施上の遵守事項」を定めて標準化を進めることが必要である。
2 研究所におけるGLP導入プロセスの考え方
第一段階:分析研究部のダイオキシン類測定分析業務にGLPを導入する。
第二段階:分析研究部の試験検査業務にGLPを導入する。
第三段階:当研究所の全ての測定分析業務にGLPを導入する。
3 研究所におけるGLP組織体系
(1)試験検査業務に係る組織の整備(前記2の「第二段階」導入時を想定)
試験実施の組織、責任体制の明確化ならびに測定データの信頼性の確保を図るため、
試験検査部門と信頼性確保部門を置き、統括責任者を置く。
(2)統括責任者
試験検査部門及び信頼性確保部門を統括する統括責任者は、研究所長とする。
(3)試験検査部門責任者、試験検査区分責任者
@ 試験検査部門及び試験検査区分には、それぞれ責任者を置く。試験検査部門責任
者は研究部長(又は相当職)とする。
A 上記の業務例では試験検査区分を3区分としているが、それぞれの試験検査区分
ごとに責任者を置く。試験検査区分責任者は主任研究員(又は相当職)とする。
(4)信頼性確保部門責任者等
@ 倍額健確保部門には責任者を置く。信頼性確保部門責任者は参事(または相当職)
とする。
A 信頼性確保部門関係者(責任者、当該部門の業務を行う者)は、試験検査部門関
係者及び試験検査区分関係者を兼ねてはならない。
なお、GLP導入の「第一段階」、「第二段階」、「第三段階」に係る具体的な内容は別に定める。
以 上
平成12年7月決定
<参考資料>
1 ダイオキシン類測定分析における信頼性確保システムの概要
2 環境科学研究所ダイオキシン分析室平面図