国産木材の活用やレンタルサービスで資源を有効利用!人が集まる空間づくりに取り組む株式会社内田洋行さんを取材しました。

オフィスや公共施設、学校など、働く場・学ぶ場のICT構築や空間設計、機器開発などを行う株式会社内田洋行。前編では、国産木材を活用したオフィスデザインや、レンタルサービスを通じた資源の有効利用に取り組む、営業統括グループ オフィス商品企画部 部長 門元さんとオフィスエンジニアリング事業部 TrendRent担当 専任部長 三橋さんにお話を伺いました。

営業統括グループ オフィス商品企画部

部長 門元 英憲 氏

オフィスエンジニアリング事業部

TrendRent担当 専任部長 三橋 俊之 氏

― 昨今は、多くの企業がサステナビリティを推進しています。オフィスなどの空間デザインへのニーズも変化していますか?

三橋さん:

経営方針に「サスティナビリティ」が組み込まれる時代になり、オフィス空間でもサステナブルな素材を使いたいというご要望が増えています。

また、コロナ禍の影響で、仕事の内容に合わせて働く場所・時間を自由に選ぶ働き方「ABW(Activity Based Working)」が広がっています。そうした中で、オフィスをどのような空間にするか、どういう家具を揃えるのかといった選択が難しくなっています。まずはトライアルでオフィス環境を作って検討をされる企業も多いので、オフィス家具レンタルへのニーズが高まっています。

― どのようなレンタルサービスを展開されているのですか?

  【新品オフィス家具・機器レンタルサービス「トレンドレント」】

三橋さん:

レンタルと言えば、使用感のある中古の家具が多かったのですが、従業員に前向きに取り組んでもらい生産性を高めるという観点から、新品を選びたいというご要望がありました。そこで2016年に業界に先駆けて、新品オフィス家具・機器のレンタルサービス「トレンドレント」を開始いたしました。

最近では働き方改革に合わせて様々な製品をお試しいただけるよう、人気のある13種類のトライアルセットをご用意しています。

     

― レンタルサービスは、企業にどんなメリットがあるのでしょうか。環境面でも効果が期待できそうですが…

三橋さん:

利用する分だけのお支払い(1か月から)が可能なので、どんな家具を入れるか判断が難しい場合に、お試しで利用できます。

また、イニシャルコストを抑えられますし、資産登録が不要で、経費処理ができるといったメリットがあります。環境面では、リユースで製品として長期使用することによって、廃棄物を減らし、製造や廃棄などに伴うCO2排出削減につながります。

― 国産木材を活用したオフィス家具や空間づくりにも、力を入れていらっしゃいますね。

門元さん:

日本の国土の67%は森林、その41%が人工林です。林業の再生や地域の活性化を目指して、地域とつながりながら全国の木材を活かした製品「WooD INFILL(ウッドインフィル)」を2015年にスタートしました。

全国の山林、企業、自治体、ユーザーをつなぐプロジェクトです。

        【ウッドインフィルを活用した木質空間】 

        

― 国産木材を使うことには、どんな魅力があるのでしょう?

門元さん:

木材を使った木質空間には、人が集まりやすく長く滞在するという実証実験の結果があります。

また、例えば杉材には、香りや消臭、調湿など様々な効能があるので、木材はなるべく加工せず、その良さを生かすようにしています。弊社はスチール加工の歴史も長いので、木の良いところを補完する形でスチールを組み合わせていますね。

― 気候変動対策にもつながるそうですね。

門元さん:

国産木材を使って「伐採・活用・植樹・育成」のサイクルを回すことで、森林が健全化し、効率よく二酸化炭素を吸収することにつながります。同時に、木材を活用した製品を長く使っていただくことで、炭素を長く固定できます。

また、製造の過程で生まれる端材を集成する技術で、ベンチ・テーブル・棚などの製品に活用しています。木材を無駄にせず、資源の有効利用を進めています。

― お客さまの反響はいかがですか? 

門元さん:

最近は、サステナブルな素材を使いたいというお客さまから、国産木材を使った製品へのニーズが高まっています。お客さまには、山の現状や森林を守るための製品であることを伝えるようにしています。

また、国産木材の特性として反りや割れが生じることがあるので、きちんとご説明して、ご理解いただけるようになってきています。人が集まる場所・コミュニケーションが生まれる場所に使うことのメリットを感じてくださるお客さまが増えていますね。


後編では、「地域で育った木材で、地域に愛される建築を!」ついてインタビューしています。

#これサー! Vol4. 【インタビュー】株式会社内田洋行(後編)

●#これサー!とは

東京サーキュラーエコノミー推進センター | 「#これサー! Vol. 0  サーキュラーエコノミーに取組む企業様・団体様の取組みをインタビュー「#これサー!」を発信します!」 (tokyokankyo.jp)