今の高校生・大学生は環境問題をどうとらえているのでしょうか? 2023年9月、東京都内千代田区大手町にある3×3Lab Futereにて、サーキュラーエコノミーに関する座談会を行い意見を聞いてみました。

今回参加していただいたラジレジオンの皆さんは、16歳~22歳のいわゆるZ世代。進行も意見交換もおまかせし、率直な意見を交わしました。

Q.環境問題への懸念度を5段階評価で表すと

5段階評価で、5が最も懸念が大きい評価となります。2人が「4」、南谷さん1人が「3」と回答。その理由も聞いてみました。

[川上さん]
私は4と回答しました。
今、色々なところで地球温暖化とか言われていて、だんだん意識も変わってきてはいます。ですけど「どうやって改善していくか」の解決策をあまり身近で聞くことがありません。
「大変」とだけすごく聞くので、そこからどうしていくのかをもう少し自分で学ばなきゃいけないところだな、って思っています。

[阿部さん]
大事なのはわかっているけど、自分の行動に移せるかどうかっていう点ですね。

[荒牧さん]
私も4です。
「本当に自分が何も考えてなくても正直、別に生きていけるな」と思っていました。
でも日本の環境問題などを知っていくと「あれ?これ自分や高校生とか、若い人たちがどんどん参加していったら結果的に未来も良くなっていくんじゃないか?」と感じて、5ではなく4にしました。

[川上さん]
地球全体もですけど、やっぱり最近日本の気候とか、自分が暮らすうえで「ちょっと異常気象多くない?」と感じることがすごく多いですよね。
そういう点で何か迫ってきている感じ、(地球環境が)狂い始めちゃっているのかな?というのは感じています。

[阿部さん]
そうですよね。もう自分たちがおじいちゃんおばあちゃんになった頃には、季節とかあるのか?みたいになりそうです。。

Q.環境問題に関心を持ったきっかけを教えてください。

[川上さん]
はい。私はラジオ活動と解答しました。
ラジレジオンに入ったきっかけは、8月にあったサマーカレッジというプログラムに参加したことです。ラジオの作り方とかにすごく興味があったので入りました。
環境問題についてのラジオだったので、聞いていくうちに自分の知らないことがたくさんあって。環境問題も学びながら、ラジオもできたらいいな、と今思っています。

[荒牧さん]
私も丸の内サマーカレッジに参加したのがきっかけです。
リサイクル関係のすごいことやっている人に講演に来ていただいたのですけど、その人の話に衝撃を受けました。
正直プロジェクトに参加するまでは、環境に関心をもつ機会というか余裕がなかったです。本当に部活!学校!みたいな日々で。参加して「あれ、環境問題って実は結構面白いんじゃないか」って思って。ちょっと環境問題を勉強してみようかなと思ったのがきっかけと思います。

[阿部さん]
確かにあのサマカレのゲストの方は、話している人自身が楽しそうにしていましたよね。その姿で今までの環境問題に対するイメージが払拭された、というか。
「こんな楽しく環境問題で解決できている人がいるんだ」というのを目の当たりにしただけでも、サマーカレッジというイベントに参加してよかったなって思いました。

Q.環境問題に関心が持てない原因とは

[荒牧さん]
関心を持てない原因は「自分では何もできない」と感じているからではないでしょうか?
正直自分も、さっき言ったプロジェクトに参加する前は環境のことなんて一切何も関心を持っていませんでした。
環境問題はもちろん大切ですけど、ゴミを分別したり「こんな小さなことをやっても、別に関係ないんじゃね?」って思ったりもすると思う。自分もそうでした。

[阿部さん]
環境問題は自分1人の行動が結果に目に見えづらくて、直接その見返りみたいなものが返ってこない。こういうことも、結構関心が持ちづらい原因にあるかもしれないですね。
確かにその無力感すごくわかります。

[南谷さん]
私が考える原因は「自分ごとではなくて他人ごとにしている」です。
例えば自分が今ゴミを分別しなかったら悪いことが起こるとか、そういうわけでもないし。

[川上さん]
私はシンプルに「難しい」。原因と影響と解決策とか、世の中に今膨大な情報がありますよね。自分の中のゴールを、見つけるのが難しいなってすごく思います。
だから概要を把握するのが難しくて、足を踏み入れにくいのではないかなと思います。自分も含めてそうだったので

[阿部さん]
確かにそうだね。
例えば古着を買っていけば、無駄な服とかを作らなくて済む。でも一方で新しい服を作って働いている人や、工場の人の仕事はどうなるのとか。
1つの側面で見たら環境にいいことでも、もう一方の面で見たらすごく悪いことがあるから、複雑に絡み合っていますよね。
「自分が一体何をどう行動したらいいかわからない」というのが、「自分ではできないと感じている」にもすごく繋がるなと思います。

Q.サーキュラーエコノミーを知っていますか

全員今回が初耳。今日知りました。という回答でした。
座談会をするにあたり始めて知り、環境に関することなのかなと認識したとのことです。

そこでラジレジオンの皆さんに、東京都環境公社よりサーキュラーエコノミーの概要を解説させていただきました。

Q.サーキュラーエコノミーは大事だと思いましたか

サーキュラーエコノミーについての解説を聞いた後の問いかけでは、全員が5段階中5の「非常に重要」と感じたと回答しました。

[荒牧さん]
こういうことをしていかないと、やっぱり(環境が)駄目になっていくっていうのは思いました。

[南谷さん]
環境にいいことをしようって思ってするのではなくて、気づいたらしている仕組みですね。
自分に不可能なことではなく、ちょっと今の生活を変えるだけでもできるから。
すぐめっちゃ革命を起こそうとしなくても、環境にいいことができるんだなって。誰にでもできると思うので重要だな、と5にしました。

クイズ:企業におけるサーキュラーエコノミーの認知度は?

ここで皆さんに、経営者、一般社員、それぞれどの位「サーキュラーエコノミー」を認知しているか予想してもらいました。

皆さんの予想は…。経営者の方が高くて75%以上が認知しているという予想。一般社員は大多数が知らない20%~半数まで意見が分かれました。

ところが実際の数値※は
経営者「知らない53%」
一般社員「知らない 72%」
※出典:株式会社エコリオ|PR TIMES【サーキュラーエコノミー(循環経済)に関する調査】

一般社員には納得したものの、経営者には驚きの様子。
「ちょっと予想外でびっくりしました。」との声がありました。

確かに自分たち学生にとって環境問題が身近ではないように、大人たちにとっても身近じゃない。ということを数字から感じ取ったようです。