活動団体情報・活動紹介

一般社団法人 セイラーズ フォー ザ シー 日本支局

「おいしく、たのしく、地球にやさしく。」

海洋環境改善を目的にデイビッド・ロックフェラー Jr.が創設した米国NGO団体セイラーズフォーザシーの日本支局。
 水産資源の持続可能な消費の啓発、クリーンレガッタプログラムの運営による海洋スポーツでのプラスチックごみの削減、KELPプログラムによる子供たちへの海洋教育など海洋環境保全の普及啓発を広範に行う。
【エコプロ2021: オンライン講義の動画はこちら↓↓】
  https://youtu.be/cUeev69sPoI

住所
〒220-8522 横浜市西区みなとみらい1-1-1 ヨコハマグランドインターコンチネンタルホテル内 Rm.1248
電話番号
070-2831-3020
E-mall
info@sailorsforthesea.jp
活動ジャンル
HP
https://sailorsforthesea.jp/
SNS
海の環境を守る団体からのメッセージ

一般社団法人
セイラーズ フォー ザ シー 日本支局
理事長 井植 美奈子 氏

海洋環境に配慮したセーリングイベント(ヨットやボートなどの競技・イベント)の開催支援や、持続可能な水産物「ブルーシーフード」の普及に取り組む国際NGOセイラーズフォーザシー/Sailors for the Sea(以下、SFS)さん。日本支局・理事長の井植美奈子さんに、海を守るために私たちは何ができるのか伺いました。

SFSさんはどのような活動をされている団体でしょうか?

海洋環境の改善に取り組む国際NGOです。ロックフェラー家当主であるディビッド・ロックフェラーJr.氏により2004年に米国で設立され、日本およびポルトガルに支局があります。
主に次のような活動をしています。
・クリーンレガッタ:ヨットやボートなどを利用した競技・イベントにおいて、使い捨てプラスチックやごみの削減など、海洋環境の配慮を推進するプログラム
・ブルーシーフードガイド:持続可能な水産物を紹介する「ブルーシーフードガイド」の普及活動
・環境教育:海洋生態学に焦点を当てた環境教育教材の開発、学習プログラムの提供

SFSさんの活動は、日本でどのように始まったのでしょうか?

創設者のロックフェラー夫妻とは、もともとお友達でした。夫妻とヨットに乗る中で、天候や波など人間の力が及ばない自然の力を感じるとともに、海ごみの問題を知りました。海ごみの問題は、人間の行動の結果であり、私たちにしか改善できません。そこで、2011年に日本支局を立ち上げました。

立ち上げ当時はご苦労もあったのではないでしょうか?

「苦労してない日があるかな?」という感じです(笑)。私は、10年間の専業主婦時代を経て、日本支局を立ち上げました。スタッフみんなで一から海に関わる勉強をしながら進んできました。当時、SFSの活動に対して、周囲は「海がどうかしたの?」といった反応で、事業者の方々から門前払いを受けたことも何度もありました。
ところがSDGsが国連で採択された2015年以降は、「サステナビリティ(持続可能性)」という言葉が広がり、多くの方々がSFSとパートナーになろうと言ってくださる時代になりました。逆風だったのが、今では追い風・それも強風すぎて、前倒しになりそうなくらいです。政府や企業などと連携しながら、産官学で一緒に進めていきたいと考えています。

セーリングイベントで海ごみを減らす活動をされていますが、個人や事業者は海洋保全に対してどのようなことができると思いますか?

やはり3R(リデュース・リユース・リサイクル)に取り組むことですね。まずはリデュース、減らすことがとにかく大切です。同時に、プラスチックが流出しても問題を防げるよう、海洋生分解性のあるプラスチックの開発も欠かせません。こうした技術開発が進むよう、応援していきたいと思っています。

持続可能な水産物を紹介する「ブルーシーフードガイド」は、日本でも広がっていますか?

日本支局を立ち上げた頃、創設者のディビッドから「日本人にとって魚は大切な存在なのに、なぜ減るまで食べてしまうのか。本当に大事にはしていないのでは」と言われたことをきっかけに、日本でもこの活動を始めました。
今では、ブルーシーフードを導入する企業が増えています。小売店や外食店だけでなく、食品メーカーがブルーシーフードを使った商品を開発したり、航空会社へ機内食を提案したり、さまざまな業種で取り入れられています。社員食堂で導入している企業もありますね。
皆さんも、「ブルーシーフードガイド」を参考に、持続可能な水産物を選択してもらえたら嬉しいです。「ブルーシーフード・ビューティーブック」では、さらに健康や美容、ダイエットにつながるヒントも紹介しています。

子どもたちへの教育プログラムも行っているそうですね

以前、小学校で、子どもたちが海で拾ったごみなどをアート作品にして、展覧会を行いました。また、毎年小学生を招いて、ブルーシーフードのランチを食べてもらうプログラムも行っています。
こうした体験をきっかけに、海の問題に関心をもってもらい、行動につなげていってくれたら嬉しいですね。

今後、SFSさんはどんなことを目指していますか?

海ごみや水産資源の問題は、誰もが当事者です。一人ひとりが日々の生活の中で実践できるといいなと思います。セイラーズフォーザシーだけでできることは限られているので、皆さんの力とともに進んでいきたいです。
たとえ話になりますが、蛇口から水が出しっぱなしで、あふれているお風呂があるとします。この問題を解決するには、蛇口を締めていかないといけません。今地球は緊急事態なので、モップで床を拭く係も大切ですが、私たちは蛇口を締める係として頑張っていきたいです。